McClelland Grand Orientals: Drama Reserve (マクレーランド ドラマ リザーブ)

一周廻ってこのスパイシーさに帰ってきた。

US$ 10.49/50g也。（税・送料別）

2015年3月時点で発売されているマクレーランドの Grand Orientals シリーズは、これで全て紹介済みになります。開封するたびに「これはどんな味だろう？」とワクワクしたあの興奮はもう味わえないのかと一抹の寂しさが…この感覚は、故人であるお気に入りの作家の小説を全て読み尽くしてしまったような感じですね。でも、小説も何度も読み返せるように、このシリーズは今後も末永くお世話になりそうです！

このシリーズに手を出してから、オリエンタル葉にも様々なバリエーションがあり、そこにブレンドの妙を加える事でさらに世界が大きく広がる事を学びました。この「ドラマ リザーブ」が最後になったのはたまたまですが、結論から言うと、このブレンドは、このシリーズに手を出す前、最初から持っていたオリエンタル葉のイメージそのものと言った味でした。まさに原点回帰と言うべきか…。

着火すると、ヴァージニアの甘さにかぶせるように、軽いしょっぱさとごくわずかの心地良い辛さを含む、まさにスパイシーといった感じの味わいが口に広がり、思わず「ああ…ここに帰ってきたのか」と、2013年10月の「McClelland Grand Orientals: Smyrna No.1 (マクレーランド　スミルナ No.1)」からはじまる１年半に及ぶオリエンタル葉の旅に思いを馳せてしまいました。（やや大げさ）

Grand Orientals シリーズに手を出す前の私の認識だと、オリエンタル葉というのはスパイシーなもので甘さは少ないと思っていました。最初に試したスミルナ No.1 はこのイメージに近かったのですが、「McClelland Grand Orientals: Yenidje Highlander (マクレーランド イェニジェ ハイランダー)」でイェニジェ葉の素晴らしい甘さに衝撃を受けて世界感が変わり、その後このシリーズのブレンドを味わうたびにオリエンタル葉の懐の深さに驚かされたっけ…。

今回のドラマ葉は、オリエンタル葉の中でも甘味は少ない方だと思います。それに加えてこのブレンドはオリエンタルとヴァージニアのみでラタキアのまろやかさが入っていないためか、エッジが効いたシャープな味わい。「スパイシー」って、甘さと比べて文章で表現するのが難しく何とももどかしいのですが、ヴァージニアのシャープな甘さをさらにシャープに彩るスパイシーさは感動的です。

中盤以降はヴァージニアの甘味がやや強まってきますが、味の傾向はほとんど変わりません。実際に喫っているものの正直な印象としても、シャープで飽きの来ない旨さは途中で変わってほしくないで、望むところです！

スパイシーさを具体的に表現できる文章力を持っていないため、具体的でない、かつ自分語り的なレビューになってしまってスミマセン。当記事の執筆時点でリリースされている Grand Orientals シリーズを全て味わって言えるのは、このブレンド「ドラマ リザーブ」はシリーズの最初か最後に試すべきかと。理論派の方は「オリエンタル葉の認識あわせ、キャリブレーション」の意味で最初に、叙情派の方は「ああ、結局ここに帰ってきた」という大団円を迎えるために最後に。私は、テキトーな順番で試してきた結果偶然最後に当たったのですが、この大団円を体験できて本当に良かった。

シャープな甘さとスパイシーさがとても旨いブレンドなので、個人的にはリピート確定。オリエンタル葉が好きな方にもぜひお試しいただきたい名作だと断言します！

Grand Orientals シリーズさん、本当にありがとう！　そしてこれからもヨロシクね！